カメラ初心者向け!ストロボ・スピードライトの使い方、バウンスについて徹底解説!

みなさんクリップオンストロボを使ったことはありますか?
カメラの上に付けるタイプの、いわゆる『外付けフラッシュ』のことです。

ストロボはただ写真を明るくするだけのものではなく、写真の表現力・質感へダイレクトに影響する大変重要な機材のひとつなんです。

そこで、今回はカメラの上に装着する外付けフラッシュ『クリップオンストロボ』の基本的な使い方についてご紹介。
写真の上達に悩む初心者~中級者の方、これから本格的な写真を撮ってみたい方におすすめの記事となっています。

『ストロボ』はCanonの登録商標なので、Nikonや他メーカーでは『スピードライト』などと呼ばれていますが、この記事中では『ストロボ』と表記します。

ストロボを使うとどんな写真が撮れるのか?

まずはストロボを使って撮影した写真を何枚か。

 

EF50mmF1.4を使って撮影した写真

ざっとこんな感じです。陰影のついた質感わかりますでしょうか?

ストロボが写真にもたらす効果は主に4つ。

  1. 環境光(室内の明かり)に左右されず、適切な色と解像感を出せる
  2. 陰影のついた雰囲気のある写真が撮れる
  3. カメラの性能に頼らず、暗い場所でも明るい写真が撮れる
  4. 手ブレ、被写体ブレを大幅に軽減できる

特に、室内の撮影においては絶大な力を発揮します。

そしてなにより超お手軽
カメラの上に取り付けてピカピカっと光らせるだけなので非常にカンタンです。

使い方はこれから解説しますが、操作に慣れれば確実にワンランク上の撮影が可能になるでしょう

今回の撮影に使用したストロボはこちら。

はじめに:ストロボの「あり・なし」で撮影した写真の比較

まずはストロボの有無でどれだけ変化があるかご覧ください。
蛍光灯の付いた明るい室内で撮影をしています。

1.ストロボを使わずにISO(感度)を引き上げて撮影した写真。

2.ストロボを使って撮影した写真
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シャッタースピード1/60秒・F値=5.6

いかがでしょうか? ISOを引き上げると質感が失われているのに対して、ストロボを使って撮った写真は光と影がバランス良く出ています。
ISOも100のままなので、革の質感やディティールが精細に表現出来ているのがわかりますね。

では、このような写真を撮影するポイントを解説します。

ストロボを使った撮影の基本テクニック『バウンス』について

ストロボを使った撮影では基本的に『バウンス(反射)』というテクニックを使います。
天上や壁に光を反射させて被写体に当てること

あえて光を反射(バウンス)させるのは、拡散した柔らかい光を作って、自然光に近い環境を作るためです。
自然光(太陽)が被写体の目の前、すぐ近くにある状況なんてほぼないですよね?

まずはバウンスの基本3パターンによる違いを覚えておきましょう。

  1. 天井に光を当てて反射させる「天井バウンス」
  2. 左右の壁に光を当てて反射させる「壁バウンス」
  3. 奥の壁に光を当てて逆光を作る「壁バウンスの応用」

図・写真を加えながら1つずつ解説していきます。

1.天井を使ってバウンスさせる

明るさが足りないときによく使う、「天井バウンス」や「天バン」と呼ばれる方法。
結婚式の撮影でめちゃくちゃお世話になるテクニックで、とりあえず自然な感じで明るくしたい時に使います。

図のようにストロボの頭を天井に向けて、反射した光が被写体にあたるようにしてください。

反射させた光は拡散されて「柔らかい光」になる

ストロボの光は反射させることで拡散された柔らかい光へ変わり、自然光で撮影したような仕上がりになります。
写真のクオリティにも大きく影響するので、なるべく光を直接当てないように意識して撮影をしましょう。

注意!反射させる角度・距離によって光があたらないことも

反射させる角度を計算しないと全く光が当たらないこともあるので注意が必要。

反射角度を計算しないと光が当たらないことも

「光が当たってないなー」と思ったら、ストロボの頭を動かして光が当たるようにしてあげる工夫が必要です。
慣れれば意外と簡単に出来ますので練習してみてください。

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天井が高すぎると光が届かないことも…。

また、天井が高い場合にも光が届かないことがあります。

天井が高すぎると光が届かないこともあります

フラッシュの出力を上げれば届くこともありますが、ダメな場合は諦めて壁バウンスなどに切り替えましょう。

※後述する「ディフューザーを使って直接当てる方法」もあります。

2.左右の壁を使ってバウンスさせる

雰囲気のある写真を撮りたいなら左右の壁を使ったバウンスがおすすめ。
被写体の片側に影を落として立体感を演出することができます。

 

向かって左側の壁に光を当てるパターンが多いけど、撮りたい写真の雰囲気や、被写体に合わせて臨機応変に。
※人間の視覚的に左から光が当たっているものが良いとされています

向かって左側の壁に向かってストロボを照射

 

左にバウンスさせた場合は、被写体の左側が明るくなり、右側が暗くなって影となります。
影を作りたくない場合はレフ板を使って、反射した光をもう1度反射させることで影を消しましょう。

レフ板を使って影を消すこともできる

2度反射させることで光量も弱くなり、ちょうどいい感じに影を消してくれます。
レフ板の代わりに複数のストロボを使った「多灯撮影」という方法もありますが、初心者にはちょっとだけ難しい…。

まずはバウンスにしっかり慣れておきましょう。

3.奥の壁にバウンスさせて逆光をつくる

逆光・半逆光のライティングは料理の撮影でよく使われるので、覚えておくとかなり重宝します。

向かって正面のカベを利用してください。背景紙(白)を使う場合は背景紙に当ててOK。

奥の壁を意識してストロボの光を当てる

被写体に光を直接当てないように、奥のカベを意識するのがポイント。

「うわー、キレイ…」となる写真は逆光や半逆光のものが多いです。
実際撮るとこんな感じ。
cheepcasio-00001
Lightroomで著作権情報(自分の名前)を写真に一括入力する小ワザ

2枚とも斜めに壁が来るようにセッティングして半逆光を演出しています。
光の当て方を変えて、表現や質感の変化を楽しんでみてください。

注意:バウンス光は天井・壁の色に影響を受ける(色かぶり)

ここまで紹介してきませんでしたが、光には反射させる天井やカベの色を吸収する性質があり『色かぶり』と言います。
赤い壁に光を反射させれば赤い光になり、緑の壁(葉っぱなど)を通ってきた光は緑色になります。
※色付きの画用紙にバウンスさせるとよくわかります

ストロボ光に限った話ではないので覚えておきましょう

天井や壁の色を吸収して『色かぶり』光を当てると…?

木目の天井でバウンスさせると写真がオレンジ色っぽくなるというのはよくあるパターン。
飲食店の撮影で初心者が知らずにやってしまい、黄ばんだまずそうな写真を納品してる現場をよく目撃します。

光は天井や壁の色を吸収する

やむを得ない場合はLightroomなどの現像ソフトで「ホワイトバランス」や「色かぶり補正」を調整して、適切な色に戻しましょう。

 

黒い天井・壁は光がほとんど反射しないので要注意

最悪なのが天井の色が黒いとき。(濃い色の場合も同様)

黒には光を吸収する性質があり、バウンスさせようとしてもほとんど反射しません。
濃紺やコゲ茶色などの濃い色も反射率が下がるので一緒。

黒い壁、天井は光をほとんど反射しないので要注意

いずれにしても、撮影現場に入ったら最初に天井やカベの色をチェックするクセを付けておくといいでしょう。
※できれば環境光の色も

光を直接当てずにバウンスをさせるメリット

ここまで説明してもまだ「フラッシュなんて直接当てればいいじゃん」と思っている方はいませんか?

バウンスを行わず直接ストロボの光を当てると、このような仕上がりになります。

※シャッタースピード1/60秒・F値=5.6・ISO100・1/80発光で撮影(EOS6D・EF16-35mmF4Lにて撮影)

なんだかものすごくのっぺりとしてませんか?
先程のバウンスで撮影した写真と比較すると、かなりちがう印象を受けますよね。

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ストロボの光は青白く直線的なため、直接当てると色・質感ともに損なわれてしまうんですよね…。
そのため、バウンスによって拡散された柔らかい光を当てて質感・立体感のある写真を表現しています。

反射&拡散させることで自然光のような柔らかい陰影をつくることができる

先ほども説明していますが、自然界では真正面から光を浴びることがほとんどないので、直接ストロボ光を当てるとどこか不自然な写真になってしまうんですよね。

バウンスをさせることで不自然な影が消えて、自然な仕上がりの写真となります。

ストロボはあくまで「自然光の代わり」と思って使えるようになれば基本はOKです。

使えそうな天井や壁があるなら積極的にバウンスを活用していきましょう。

どうしても直接当てなければいけないときはディフューザーやソフトボックス・アンブレラを使う

バウンスが使えない場所では『ディフューザー』をストロボに取り付けて光を拡散させます。
見たことあるかもしれませんが、こういうアイテム。

defadd マジックテープで巻きつけるタイプが多いので対応機種はかなり幅広いです。

実際にディフューザーを取り付けて撮影したのがこちら。
ディフューザーを使って撮影した写真
※シャッタースピード1/60秒・F値=5.6・ISO100・1/20発光で撮影(EOS6D・EF16-35mmF4Lにて撮影)

影が消え、素人のフラッシュ撮影感が少しなくなりましたね。
カメラと被写体の距離を置けばもっと自然な写りになります。

直接フラッシュを当てたものとの比較してみてください。
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ディフューザーやソフトボックスは、光が通る白い部分の面積が大きいほど、拡散した柔らかい光を作り出します。
なるべく白い部分の面積が大きいものを選んで買うといいでしょう。

形を自在に変形させて様々な用途に使える『フラッシュベンダー』というアイテムもおすすめです。
※こちらのほうが使い勝手いいかも

 バウンスができるストロボは上下左右に首振り可能な機種だけ

バウンスができるのは上下左右に首振り可能な機種限定となりますので、ストロボの購入時は注意してください。

Canonだったら320EX430EX III-RT以上の機種、NikonならSB-500SB-700以上の機種が首振り対応です。
価格重視の方は、激安中華ストロボで有名なYongnuoGodoxのストロボがおすすめ。
特にYongnuoは純正同等の性能を持つストロボとして紹介記事を書いていますが、ワイヤレススレーブの受信機が内蔵されていたりと、コスパだけなら世界一なんじゃないかな…?

1万円以下で買えるストロボ・スピードライト「YongnuoYN560」が純正とほぼ同性能を持ってることが発覚!

2016.05.11

注意!ストロボを使う際のシャッタースピードは1/60~1/125秒に設定しよう

ストロボ初心者が必ず知っておくべきことの一つに「ストロボの同調速度」があります。

大半のカメラに採用されている『フォーカルプレーンシャッター』という構造上、1/250秒以上の速度でストロボを使用すると画面半分が暗くなる現象が起きます。
※フォーカルプレーンシャッターの仕組みについては長くなるので触れません

これを解消するため、ストロボを高速で連続発光する『ハイスピードシンクロ』ができるストロボも存在しますが、ストロボの光をロスなくキレイに使えるのは1/60~1/125秒。
発光した光をすべて利用するなら1/60秒が最適です。
被写体や環境、絞り値に応じて使い分けましょう。

1/60秒以下のシャッタースピードでも問題ありませんが、環境光による手ブレ・被写体ブレを考慮すると1/60~1/125秒が最適なシャッタースピードとなっています。

ストロボの基本的な使い方、操作方法や設定について

初めてストロボを使う方は2項目の設定だけ覚えておけばOK。

  • ストロボの発光量(1/128などの分数で表記)
  • 照射角(ズーム)

最低でもこの2項目が細かく調整できないものは買う価値ありません(首振りも大事ね)。

発光量で光の強さ、照射角で光が照らす範囲を決め、発光量×照射角で全体のパワー(光の届く距離)が決まります。

ストロボ発光量=パワーと覚えておくと楽

ストロボ発光量とはその名の通りなんですが、ストロボの出力(パワー)です。
1/1~1/128の分数で表示され、1/1がフル発光(フルパワー)、1/128が最小の出力となっています。※機種によって異なる

正確にはパワー=ガイドナンバー(GN)なんですが、最初からこれを説明すると大混乱すること間違いなしなので、ひとまず「発光量=パワー」で覚えておいてください。

詳しく知りたい方はガイドナンバー、撮影可能距離の計算方法について書いた記事があるので、もしよければ参考に。

ストロボのガイドナンバーとは?撮影可能距離を基準にした計算方法がカンタンでわかりやすい

2016.11.22
1/1のフル発光は連射が効かない上、ストロボ本体への負荷も大きいので通常は1/2~1/8あたりを上限として使うようにしておくといいでしょう。

照射角について

24mm~105mmで表示され、レンズのズーム域に合わせて照射する範囲を変更することができます。
簡単に言うと「ストロボで照らす範囲」のことですね。そのまんまです。

実際に発光してる写真をみればわかると思いますがこんな感じ。

ストロボの照射角24mm~105mmまでの図説

※24mm~105mmの照射角を比較したgif画像

24mm(広角)だと「範囲が広く弱い光」、105mm(望遠)だと「範囲が狭く強い光」となります。

ストロボの操作に慣れるまでは、広く照らすなら24mm、遠くまで光を届けるなら105mm、と2つだけを使い分けるのがおすすめ。
感覚を養うのに最適です。
慣れてきたら中間域の照射角も使ってみましょう。

まとめ:クリップオンストロボは商品撮影・料理、人物撮影に使える万能な撮影機材

ストロボは使い方さえ覚えてしまえば商品撮影や料理、人物撮影など幅広い用途で使える超万能なアイテム。

背景紙とパーマセルテープ(どこに貼っても簡単に剥がせる撮影用のテープ)があればどこでも簡単に撮影ブース化することができます。

このブログで商品レビューを書く際も同様のセットで撮影してます。
よくわからない撮影ボックスを使ってしょぼい写真撮るくらいならストロボ+背景紙で本格的な写真を撮りましょう。
出張撮影でも使えるのでめちゃくちゃ便利ですよ。

多くのクリップオンストロボは単3電池で動き、小型でパワフルかつ、携帯性も抜群です。
まだ持ってないなら、ぜひ1台買ってみてください。
※対応機種はよく確認してくださいね