風景や建物の内観・外観撮影で大活躍の超広角レンズ。
撮影のジャンルによっては使わないこともあるので「1本も持ってない」なんてカメラマンの方もたまにいますが、僕は超広角を手に入れて良かったことがたくさんありました。
というか、単純に撮影が楽しくなるので1本あると良いと思います。
超広角レンズを初めて買う人へ
「超広角レンズ」には、かなりの広範囲を写せる、強力なパースを効かせられるというメリットがあり、24mmクラスの標準的な広角レンズと比べるとその差は顕著にあらわれます。
反面「ゆがみ」の発生も極端に強く、使用するレンズによっては現像でかなり調整が必要な場合もあります。なんだかんだとクセの強いカテゴリーのレンズですね。
ズームレンズ or 単焦点レンズ(超広角レンズ編)
ズームレンズは大変便利ですが、単焦点レンズと比べると描写性能・明るさは落ちる場合が多く、価格は高めです。
ただ、写真って描写力よりも瞬間を切り取る能力の方が大事だったりするので、レンズ交換の時間をなくしたズームレンズはシャッターチャンスを捉える力が優れていると言えます。
特に、結婚式やイベント撮影、ポートレートなどレンズ交換するタイミングが限られた環境では大活躍。動画撮るときもかなり重宝しますね。
- 仕事で使う→ズームレンズ
- 趣味で使う→単焦点レンズ
くらいで割り切ると選ぶのが楽です。
筆者はズームレンズ派
僕が使っているCanon EF16-35mm F4L IS USMはいわゆる『小三元レンズ』と呼ばれ、超広角から標準域までF4通しで使える結構便利なレンズです。
描写もなかなかキレイでこんな感じ。逆光にも強いです。
これの上位互換的なF2.8通しのCanon EF16-35mm F2.8 L III USM(大三元レンズ)もありますが、僕は「16-35mmは遠景撮影のみ」と割り切ってF5.6あたりまで絞って使うことがほとんなので別にどっちでも良いかなと思ってました。今になって大三元欲しい…って思うけど。
Canon EF16-35mm F4L IS USM
もう2〜3年くらいのお付き合いになるけど、高い描写力を持ちながら軽くて取り回しが効いて、近接撮影までこなせる万能なやつ、といった感じでとてもお世話になってるレンズです。
「16-35のF4(イチロクサンゴーのエフヨン)」なんで呼んでます。この辺は人によって呼称が違うかも。
「ボディが安っぽい」とか「小三元レンズは認めない」とか散々言われたりするけど描写性能は高く、F5.6まで絞ったときは大三元レンズとそこまで大きく変わらない。
4段分の強力な手ぶれ補正も魅力で、手持ちでも1/4秒くらいならほとんどブレずにシャッターきれるので強い。実際は1/8秒くらいで撮ること多いけど。
16mm時(フルサイズ)の手ぶれ限界値は1/16秒なので、それ以上遅いシャッタースピードでは手ぶれ補正を使いましょう。
最短撮影距離が0.28mと、なかなか寄れるので、物撮りやテーブルフォトにも一応使える。飲食店の撮影なんかはこれ一本で内観から料理までこなせてしまうことがあります。
大三元レンズのCanon EF16-35mm F2.8 L III USMだとボケを活かした撮影も望めるので、ポートレートに使用するなども可能。
とはいえ、広角でパンフォーカスがメインになるので三脚が使える場所でしか撮影しないならF2.8はそこまで必要ないですね。
TAMRON(タムロン) SP 15-30mm Di VC USD A012E(フルサイズ対応)
タムロンが全力振り絞って作った大口径超広角ズームレンズ。
「重くてデカい」が代名詞となりつつある出目金レンズですが、取り回しのしやすさなどを完全に捨てて描写性能にステータス全振りしたようなやつです。
最近のタムロンはSIGMAのArtシリーズ意識したようなレンズ多くてとても好きです。
多方面で高評価を得ているのですが特長をザッとまとめるとこんな感じ。
この値段で買える超広角ズームとしては圧倒的に高性能。描写性能だけでいくと先程紹介した16-35mmは涙目ものですが、取り回しのしやすさやバランスを考えるといい勝負ってとこですかね。
安価で軽量な17-35mmF2.8-4を選択肢に入れるのもアリ
ズーム全域でのF2.8通しにこだわらないなら安価で軽量な17-35mm F/2.8-4 Di OSDというモデルもあるのでこちらもおすすめ。レンズの軽さは正義。
SAMYANG 14mm F2.8
超広角の世界を体験してみたいならとりあえずこれ。
この値段では考えられないような解像力を持っているので、他のレンズに予算を回したいとか、広角レンズはほとんど使わないけど一本持っておきたいなんて人におすすめです。
ただ、安いなりに欠点もあるので紹介すると
上記3つをクリアできる人は安価で描写性能の高いレンズを手にすることができます。
あと、あえて触れてませんでしたけど単焦点レンズなのでズームはできません。
SIGMA14-24mm F2.8 DG HSM | Art
近い焦点距離に12-24mmF4 DG HSM | Art がありますが、全体的にスペックが優れていて設計が新しい14-24mmを選んでおけば間違いないでしょう。
参考までに12-24mmと14-24mmをざっくり比較するとこんな感じです。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art | SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM | Art | |
発売日 | 2016年10月28日 | 2018年3月9日 |
マウント | キャノンEF、ニコンF、シグマSA | キャノンEF、ニコンF、シグマSA |
焦点距離 | 12-24mm | 14-24mm |
フォーカス | AF/MF | AF/MF |
絞り | F4-F22 | F2.8-F22 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
レンズ構成 | 11群16枚 | 11群17枚 |
最短撮影距離 | 0.24m(24mm時) | 0.26m(24mm時) |
最大撮影倍率 | 0.2倍 | 0.18倍 |
防塵防滴 | 簡易防滴・防塵(マウント部) | SIGMA Sportsラインと 同等の防塵・防滴構造 |
最大径 | 102mm | 96.4mm |
長さ | 131.5mm | 135.1mm |
重量 | 約1150g | 約1150g |
上記を見れば14-24がいかに優れているかわかると思います。これに加えて、レンズ一体型になっている花形フードを追加2万円の費用で円形のフードに交換することが可能です(14-24mmのみ)。
SIGMAにとって12-24ってどの立ち位置なんだろう…?と時々思います。
Canonの16-35mmF4やタムロンの15-30mmF2.8より高価ではありますが、SIGMAのArtシリーズならではの描写性能にSportsラインの防塵・防滴構造が加わった強力な超広角レンズです。
予算が許すのであれば最もおすすめな一本。
SIGMA 超広角ズームレンズ 14-24mm F2.8 DG HSM | Art A018 CANON-EFマウント用 フルサイズ対応
Tokina opera 16-28mm F2.8 FF
前モデル『AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX』の後継機種として正統進化を遂げたこのレンズ。
同社の最高峰ブランド『Opera』の名を冠する実力は伊達じゃなく、P-MO非球面レンズをはじめとして、トキナーの技術力をジャブジャブ注ぎ込み収差やゴーストフレアなどを徹底的に抑制。
また、鋭い切れ味のある描写力は前モデルよりさらに進化を遂げています。すごいぞ、トキナー。しかも結構安い。
まとめ:超広角の世界はこだわり始めるとキリがない
はい。見出しの通り超広角レンズってこだわり始めると本当にキリがなくて、割と深い沼だなといった印象です。
僕は描写力に関してはそこまでこだわっていなくて、使いやすくて持ち運びしやすいのが一番だと思っています(仕事で使うことを主軸に置いているので)。
だからどうしても純正を選んでしまう。これはもう仕方ない。
やっぱりメーカー純正レンズって高いけど全体の仕上がりバランスがとても良いんですよね。
描写性能を追い求めるなら趣味用に単焦点を買うなど割り切った方が良いと思います。
というわけで皆とりあえず純正買っておこう。もしくはSAMYANG買って超広角体験をすると良い。
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